 まさに豪快。力任せにライバルをねじ伏せたテンショウボス (P/横川典視)
12頭が争った岩手の古馬伝統の一戦・一條記念みちのく大賞典はやはり人気上位馬同士の争いとなった。そこから抜けだしたのは2番人気テンショウボス。ライバルを振り切って優勝し、98年メイセイオペラ以来の4歳馬によるみちのく大賞典制覇を果たした。
どうしてもハナに行きたいという馬がおらず、いったいどれが逃げるのか?というところから始まったみちのく大賞典。そんな観衆が見守る中、一周目の直線を先頭で駆け抜けていったのはなんとコアレスハンターだった。
「いつもはゲートの出が悪い馬が、今日は他と同じように出た。じゃあそこから引くよりは行った方が良いと思ってね。昔は逃げていた馬、問題はないと(関本淳騎手)」。そんな関本淳騎手の決意の元、コアレスハンターは僅差ながらハナに立って馬群を引っ張ってゆく。サイレントエクセルやテンショウボスも行きかかった2番手争いは内からエアウィードが出、サイレントエクセルは3番手、テンショウボスはそれらを見ながら進む4番手につける。
人気上位馬4頭が形成した先行集団、道中、先頭コアレスハンターから4番手テンショウボスまで順位はほとんど変わらなかったものの、4頭の間では盛んに探り合いが続いていた。コアレスハンターをぴったりマークして進むエアウィード。さらにその後でマークするサイレントエクセル。テンショウボスは「サイレントエクセルの後にいればいいだろう(小林俊彦騎手)」と4番手だったが、結果前の馬の動きを見ながら進めるポジションを取れたのが大きなアドバンテージになったようだ。
3コーナー、先行4頭の中で1番人気サイレントエクセルの手応えが悪く見える。向こう正面後半からすでに手綱を動かして追っつけ気味、「調子はいいと思っていたのに、向こう正面でもう行く気が無くなったような感じ(板垣吉則騎手)」。
そんな前の動きを見ていたテンショウボスと小林俊彦騎手、「サイレントエクセルの手応えが悪いし、コアレスハンターも、見ているとあまり余裕がなさそうだった。なら仕掛けてもいいだろう」と4コーナーを回りながら外から先行グループを交わしにかかる。前の様子を見ながら機先を制して動いたテンショウボス。レース後エアウィードの阿部騎手が「もっとじわっと来られていたらまだ良かった。勢いをつけて来られたから伸びに差が出てしまった」と振り返った、事実上勝負の行方を決めた瞬間だった。
ゴール前、抜け出したテンショウボスをエアウィード、そして再び盛り返してきたサイレントエクセルが追う形になったが、3頭ともここまでくるとさすがに脚色一緒、その差はわずかずつしか変わらない。最後の最後に来てテンショウボスが内にささりそうになるが、これは鞍上が懸命に追いつつ立て直す。刺さってもたつく内に交わされたりしたら、と心配したという小林騎手だったが、それは杞憂だった。
2着はサイレントエクセルの最後の反撃を凌いだエアウィード、1番人気サイレントエクセルは3着に終わり、コアレスハンターは4着。4頭一団の5着争いは最後方から追い上げたブラーボウッズが制していた。
勝ったテンショウボスは父ティンバーカントリー、母エイシンノーブルの牡4歳。強豪4歳勢の一角として活躍、その中では一番出世が遅かった馬が古馬のビッグタイトルを手に入れ、メイセイオペラ以来の4歳馬によるみちのく制覇を達成。鞍上の小林俊彦騎手は01年グローバルゴット以来のこのレースの優勝となった。
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スローになった1周目スタンド前で掛かり気味になったので、喧嘩するよりいいだろうと3番手まで行かせました。前回もそうでしたが、このごろ追って伸びないケースが続いてますから、早め早めにスパートしました。結果、それも良かったんでしょうね。ヴィジョンを見たら後ろをかなり離していたので安心しました。やはり2400mの距離も合うんでしょう。(板垣吉則騎手)